再生エネルギー賦課金について考えてみた。
あやぱぱさんのブログを受けて、久々に頭の体操をしてみました。
とにかく、再エネ賦課金は不可解金だと言うお話でした。
再生エネルギーの賦課金の算出方法は提示されているので、わかりうる最新の平成26年のデータを使って確認してみました。
平成26年度は回避可能原価は0.75円/kWhでした。 買取費用9000億円-回避可能原価2480億円+事務費2.7億円/販売電力量8670億kWh という計算根拠からです。
この計算については前提条件として、9000億円の再生エネルギーの買取が行われること、また、販売電力量が8670億kWhで あることが前提です。 では実績がどうだったのでしょうか。
ここは推計として出してみました。
資料2ページ 調達価格等算定委員会資料(PDF注意)より平成26年度の総発電量は9101億kwhでした。
2年前の資料においては販売量の予測は8670億kWhでした。(上記の回避可能原価の計算根拠資料です。)
なお、再生エネルギー賦課金には、電力他消費産業と呼ばれる業界のために減免措置を設けています。 これは全体では5%くらいと想定しています。( 下記9ページ参照)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/020_01_00.pdf
この5%を差し引くと、大体9101億kwh*0.95 = 8650kWhですので、おおよそ予測通りであったのではないかと 考えられます。
このとおり、減免対象は全体の5%程度であり減免が無くなったとした場合であっても、今年の再エネ賦課金は 3.3円 => 3.15円程度です。 減免事業者のせいで再エネ賦課金が大幅に高くなり不公平だということにはなっていないと思います。
再エネの発電量について考えてみましょう。
この資料2ページ(PDF注意)より、全体の3.2%が再生エネルギーの発電量でした。
よって、9101億kWhのうち、291億kWhが再生エネルギーによって発電されたことになります。
ここは推定ですが、平成26年度に稼働している再生エネルギーの平均単価は33円、回避可能原価は10円とします。
そうすると、
買取費用 33円*291億kWh = 9603億円
回避可能原価 10円*291億kWh = 2910億円
元々の平成26年度の予測より多くなってしまったのでしょうか。
(実績値であれば0.75円/kWhよりも多く取らなければならなかった?)
この考え方として、
・家庭での平均販売価格 21円/kWhに対して賦課金は0.75円
・賦課金の占める割合は、0.75/21.75 = 3.4%
大幅にずれていないとも言えると思います。
ちなみに、平成28年度は再エネ賦課金は3.3円/kWhです。
これを逆算すると、今年度は全体の13%程度は再生エネルギーが 発電することになるのですが、そこまで増えているのでしょうか。
google PC用
google PC用
関連記事
-
再生エネルギーの買取価格変更の議論内容
簡単に議論のポイントをまとめてみました。 来年度の再生エネルギー買取方法について …
-
東芝が再生エネルギーと水素を用いた自立エネルギー供給システムの実証実験を行います
11月13日に東芝が川崎市との自立型エネルギー供給システムの共同実証システムのプ …
-
新エネルギー小委員会(第8回)を受けて①
前記事などでも記載のとおり、現在、太陽光発電を初めとした再生エネルギーの発電量が …
-
NHKニュース 再生可能エネルギー 買い取り義務見直しへ
NHKのニュースにて「再生可能エネルギー 買い取り義務見直しへ」との記事が流れま …
-
2015年の電力自由化の動向
2015年 今年もよろしくお願いいたします。 2015年になり、今 …
-
電力小売ではクリーンな電力という表現は使えず、”FIT電気”という表現に
先日の経済産業省の会議にて固定価格買取制度(FIT)を利用した再生エネルギーを調 …
-
2σ評価とは何か
現在、日本では再生エネルギーが普及しすぎてしまっているとして、 連系可能容量をオ …
-
太陽光発電のプレミアム価格買取
太陽光発電を初めとする再生エネルギーは全量買取制度(FIT)と呼ばれる制度により …
-
風力発電
風力発電では風の力を利用して、風車を回し、その回転力を利用して 発電します。 風 …
-
なぜ再生エネルギーでエネルギー自給率200%なのか
新年あけましておめでとうございます。 今年の目標ということも兼ねて …
- PREV
- 日本ロジテック協同組合の未払問題